マーラーを聴く

5月18日は、クラッシク作曲家のグスタフ・マーラーさんのご命日です。001


ちょうど没後100年だそうで、マーラーの特集雑誌が3冊ほど出ていました。ミーハー的クラシック音楽ファンである私は、ご他聞に洩れず、映画「ベニスに死す」で甘美な第5交響曲第4楽章(アダージェット)でメロメロになって、マーラーの名を知りました。003


マーラーのCDも山ほど買い込んだのですが、実のところ、あまりそれを聴いていません。どうしてかって?マーラーの交響曲は長過ぎるんですよ!もともと気が短い性格で、そのために世界最短文芸である俳句をやっているほどの人間が、どうして1時間以上も同じ音楽を聴いていられますか!(笑)しかもマーラーの曲って、五目めんかゴッタ煮のようにいっぱい何でも詰め込まれていて、消化不良を起しそうではないですか。002


しかし、時にマーラーの音楽は天国的に美しく、やっぱり心をとろとろに蕩かしそうなんです。ひょっとすると、マーラーは大河的な映画の伴奏音楽だと思って聴いていればいいのかも知れません。そういえば、マーラーの曲って、市川崑監督(おはん)も伊丹十三監督(タンポポ)も、そしてあの黒澤明監督(乱)も、使っているんですよね。ぽっかり時間が空いたときにでも、ゆっくり聴くとしましょうか。


メニューの字ほそくて読めぬ薄暑かな      大波

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吉田秀和は偉いか

…と言っても、クラシック音楽に興味のない方には、吉田秀和ってだれ?…でおしまいでしょう。そうですねえ。クラシック音楽批評家のテッペンの人、この人以上に偉い批評家は日本にはいないと言われる人だと言っておきましょうか。001


その吉田秀和は「本当に偉いのか」という特集を、「クラシック・スナイパー」というよほど偏屈なクラシック・ファンでなければ読まないような小雑誌で特集していました。許光俊とか鈴木淳史とか少々トンガッた評論家たちが吉田秀和についてあれこれ書いていて、とても面白かったのです。世の中にはいろいろな文章が存在しますけれど、いちばん面白いのは「批評の批評」だと私は確信していますから、活字離れの著しい私も、ひとときこの雑誌に没頭してしまったという次第です。003


吉田秀和は「レコード芸術」に毎号巻頭エッセーを連載していますが、そのタイトルが「之を楽しむ者に如かず」です。意味がよく分かんねえ、と私などは思ってしまいますが、その書き方はモノローグ風ながらも、まずまず分りやすい明快な文章といっていいでしょう。でも、ある演奏家を取り上げて分析している内容が、はてな、これは褒めているのかな?それとも貶しているのかな?とよく分からない状態に陥る場合もしばしばありますから、単純に明快な批評と思ってはいけないのかも…。004


吉田秀和が偉いのか偉くないのかは、結局よく分からないままなのですが、クラッシクを楽しむ一つの大きな羅針盤のような人であることは確かな気がします。ジャズでは植草甚一や油井正一が亡くなった後、羅針盤が失われたままの状態が続いていることを考えれば、クラシックの吉田秀和は唯一孤高の存在として大事にしたいなと思います。

そうか。大震災から、もう2ヶ月も過ぎたのか。


夏の雨かくもこの駅薄暗く       大波

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ドリス・デイをご存知ですか?

ちょうど1年ほど前にジャズ専門誌の老舗「スイング・ジャーナル」が休刊した後、私が唯一目を通している「ジャズ批評」が、ドリス・デイ、ローズマリー・クルーニー、ジョー・スタッフォードを特集しています。2011_05_03_011


この3人はアメリカの健全な時代を象徴する美人シンガーたちで、私は特に女優であり歌手であったドリス・デイの大ファンでした。「知りすぎていた男」や「二人でお茶を」「カラミティ・ジェーン」「夜を楽しく」「先生のお気に入り」などの健康なお色気演技と、あくまでも素直で伸びやかな彼女の歌を覚えておられる方も多いと思います。2011_05_03_012


「ジャズ批評」は全部で74枚に及ぶ彼女のLPのディスコグラフィを掲載していますが、私はこの中の20枚ほどを所蔵していますので、ファンとしては、まあまあ上々の方ではないでしょうか。2011_05_03_014


彼女のハスキーなボーカルは、優しくて暖かくて、元気にもなればしっとり上品にもなれるという理想的なもので、ドリス・デイの歌を聴いていれば英語はみな分るような気がしたものです(笑)。あんなにフランクで可愛い金髪美人だったのに、男運には徹底的に恵まれなかったそうで、動物愛護家のドリスは、今相変わらずワンちゃんやニャンコとひっそり暮しているのでしょうか。いっぺんは、ナマでお会いしたかったなあ。


新緑や上目遣いに犬が見て     大波

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作詞家・秋元康

AKB48の仕掛け人ではなく、作詞家としての秋元康に興味を抱き始めたところに、角川さんがとうとうやりましたね。001


「別冊カドカワ 総力特集 失われた詩人としての秋元康」という一冊。さっそく買い求めましたが、はて?こういう雑誌って、私のような変人のほかに誰が買うんだろうか?それとも、前田敦子とか大島優子とかAKBのスタークラスがずらりとカラー写真で並んでいるから、結構売れるのかも。003


秋元康は、美空ひばりの「川の流れのように」や小泉今日子の「なんてったってアイドル」のようなヒット曲を数多く持っている人ですが、私が最近興味を覚えたのはAKBのミリオンヒット曲「Beginner」です。歌の出だしでいきなり「きのうまでの経験とか知識なんて荷物なだけ」という固い言葉が飛び出してくるような歌は、アイドルたちの歌としてはほかにあまり例を見ないのではないでしょうか。「River」もそうですけれど、おシャレでポップなラブソングを書く反面、なんだか生硬でメッセージ性の高い歌詞も平気で書いてしまうブキミな作詞家だなあとつくづく思います。002


この雑誌では、作詞家秋元康を、田原総一朗や林真理子、岩井俊二、篠山紀信らがさまざまな角度から語っていてなかなか面白いのですが、一番面白いのは最後の秋元康本人の単独インタビューでしょう。「プロデューサー秋元が作詞家秋元に発注する感じ」と自分の二重性を分析しているくだりがツボです。なるほど、私のような老人までもAKBブームに巻き込むわけだなあ、と感心してしまいました。

裏山にはや老い初めてケキョと鳴く      大波

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樹里からん「TORCH」

昨夜の月をごらんになりましたか? 18日が満月だそうですが、ほぼまん丸の月が皓々とかがやいていて、きょうは日中初夏のようなバカ陽気だったけれども、あしたはまた冷え込むという予報が頷けるような冴えた色をしていました。

「大」春号の発送もほぼ完了しましたので、ホッとした気分でひさびさに音楽でも聴いてみようかと、前に買っておいた樹里からんという女性のボーカルCDをプレイヤーにかけてみました。001


この人の歌を聴くのは初めてです。CD店のジャズボーカルの棚に置いてあったのですが、聴いてみるとジャズのアレンジを施してはありますが、歌っているのはいわゆるJ-POPSの有名曲ばかり。中島みゆきの「時代」とか、五輪まゆみの「恋人よ」、中森明菜の「セカンド・ラブ」などなど、私好みのナンバーがずらり。すっかり、気分よくなってしまいました(笑)。002


最近のジャズとかボーカルとかの事情にすっかり疎くなっているので、この樹里からんさんのことは何も知りませんけれども、ちょっと太目の声質で結構ノリがいい歌です。かすかにノラ・ジョーンズ的な感じもあるかな。中でも「ワインレッドの心」と「ミスター・サマータイム」には心奪われましたね。彼女のように原曲のよさがくっきり浮き彫りにされるようなカヴァーのボーカルは、絶対に花マルだっ、と思いました。


行くあてどなく猫歩く春満月       大波

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アニメンティーヌ

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私はとんと知りませんでしたが、フレンチ・ポップスのクレモンティーヌが歌っている日本のアニメの主題歌集がけっこうヒットしているそうですね。タイトルは「アニメンティーヌ」。Photo


そのうちの一曲「天才バカボン」の歌を聞けば、ああ、あれかと思う人が多い筈です。去年、サントリーのテレビCMに流れていたフランス語の「バカボン」が、それです。三浦友和と榮倉奈々がほっぺにバカボンパパと同じ渦巻き模様を描いていたCMです。バカボンのボンが、フランス語のボンに聞こえるのが不思議。Photo_2


この他、「崖の上のポニョ」「おどるポンポコリン」「サザエさんメドレー」「ドラえもんの歌」「タッチ」などのアニソンを、ボサノバのリズムに乗せて歌いまくっています。アニソンですからみな軽量級の歌ばかりなのですが、フランス語にすると、みなおシャレな歌になってしまうのが不思議といえば不思議。でも、「ゲゲゲの鬼太郎」はちょっとムリだったんじゃないでしょうかねえ(笑)。もうすぐ「アニメンティーヌ2」がリリースされるそうです。


春寒のバカボンパパの笑顔かな      大波


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ジャズピアニスト上原ひろみ

とても寒かったけれど、ひな祭りだったので、女性の話をいたしましょうかね。今年のグラミー賞の日本人4人組のうち、私が最も親近感を持ったのはジャズ・ピアニストの上原ひろみです。303_003


古い頑固なジャズファンである私は、今時の若手ジャズプレイヤーには殆ど興味を持たないのですが(歌舞伎と落語の若手も同じ)、ひろみさんだけは別。私もかつて暮していた浜松っ子で、ヤマハ音楽教室出身というのが、そもそも親しみを感じるきっかけです。303_001


おまけにお顔が、どことなく若かりし樹木希林(悠木千帆と名乗っていた頃の)に似ていらっしゃるのが、また、好感度アップの要因。しかも、演奏は山下洋輔もあっと驚く爆弾炸裂レベルなのですから、これはもうタマリません。303_002


彼女の最大の長所はジャンルにとらわれない多彩な演奏をするところです。チック・コリアやスタンリー・クラークと堂々と渡り合うプレイをするかと思うと、ドリカム=ドリームズ・カム・トゥルーとだって、楽しく共演してしまうんですからね。その調子でこれからもがんばれや、ひろみちゃん。グラミー賞なんか、何回獲ってもいいんだからね。


雛の日の遠嶺の冠る雲の嵩       大波

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緊急特集 桑田佳祐

夜のおかずを買いに行く途中、立ち寄った本屋さんでこの雑誌を見つけ、衝動買いしてしまいました。Img_1550


定価600円の「BRUTUS」の緊急特集です。桑田クンが例の病気を克服して大晦日に紅白に出演し、今月23日にはいよいよ新作アルバムが発売されるのを記念して編まれた緊急特集ですって。Img_1552


この特集では、爆笑問題の太田光とか黒柳徹子とかさまざまな方々が桑田クンについて語ったり書いたりしているのですが、最大の目玉は新作アルバムの歌詞がズラリと発表されていることでしょうね。何しろ桑田クンの歌詞はエロかったり、抒情していたり、諷刺していたり、変幻自在ですから、読んで楽しいこと請け合いです。おおっ、現政権下のグチャグチャ世相を突いたキョーレツな歌詞もありますね。Img_1555


一部、桑田クンが「華麗なる加齢の道」を歩んでいるという表現がありますが、桑田クンは私より20歳近く年下ですからねえ、「加齢」は言い過ぎじゃないのかしらん?


残雪も笹の根つこもしぶとくて       大波

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松本孝弘「THE HIT PARADE」

今朝は、ボランティア精神でマンションの玄関前からバス停まで雪かきをしたら、予想通り腰が痛くなりました(笑)。その大量の雪も、昼過ぎにはほとんど溶けて消えてしまっているのですから、やっぱり東京の雪は甘いもんですねえ。Img_1543


ところでグラミー賞を獲得したB’zの松本孝弘=Tak MatsumotoのCD、一枚だけ持っています。7~8年前にTakがプロデュースして創りあげた往年のポップス名曲のカバー集「THE HIT PARADE」というアルバムです。全曲別々の歌手が歌っていて、例えば「異邦人」を故坂井泉水=ZARD、「イミテーションゴールド」を倉木麻衣、「勝手にしやがれ」を同じB,zの稲葉浩志がそれぞれの持ち味で歌っているというものです。Img_1548


全部で17曲にTakはギターでつきあっているのですが、これがなかなか気合が入った名演。Tak自身は、「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」を歌っているのですが、オリジナルの宇崎竜童と比べるとまったくドスの利いていない少年のような声で「あんた、あの娘のなんなのさ」とやるのに大いに笑っちゃいまして、逆にたいへん好意を持った次第です。Img_1547


私自身は、アカデミー賞、エミー賞、グラミー賞と、なんでもかんでもアメリカだけが世界の標準なのよという風潮は決して好きではないのですが、 以上のようなわけで素直にTakの受賞を喜びたいと思います。受賞の対象になったラリー・カールトンとの共演アルバムもそのうち是非聞いてみたいものですね。内田光子のモーツアルトのCDは買って持っていますが、上原ひろみのものも未聴ですので、これもそのうちに…。


一塊の雪の名残を掻き捨てて       大波

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AKB48

告白しちゃいますが、昔一時期、おにゃんこクラブの隠れファンだったことがあります(笑)。と言っても、国生さゆりとか新田恵利とか工藤静香、渡辺満里奈あたりのスタークラスにはほとんど興味がなくて、福永さとみ(字は忘れた…笑)や布っクンの妹(名前は思い出せない…笑)あたりがイイと思っていたので……。73歳の現在、AKB48に興味を持つのは、どうやらその頃の後遺症のようですが(笑)。Akb48_001


しかし、AKBはおにゃんこより格段に進化していると思いますよ。紅白を観ても、ダンスパフォーマンスの技量は大したもので、韓国の少女グループ並みにキレのよい動きをしているなあ、と感心している次第です。Akb48_002


それから、おにゃんこのように単独のテレビ局に依存するのではなくて、自前の秋葉原劇場でライブをつづけていたり、AKBの3チームや名古屋のSKE(これ、栄ですよね?…笑)といった組織立った活動を展開していたり、総選挙と称する人気投票をおこなったり、戦略的になかなか優れたものがあると思います。Akb48_003


歌も「会いたかった」をはじめ、「桜の栞」「Biginner」など佳曲が多いのではないでしょうか。おにゃんこの「セーラー服を脱がさないで」より、AKBの「制服が邪魔をする」のほうが、明らかに中身の濃い歌ですもんね。ただ、卒業期の学園の乙女たちといったイメージでまとまっているこのグループ、一体この先どれぐらいの賞味期限があるのかなあ、と心配している今日この頃でございます。


土濡らすほどで上がりて寒の雨         大波

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