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O先生の訃報

今から25年ほど昔、私は神戸に単身赴任で行きました。たまたま職場近くのトアロードに小さな美術教室があり、週に一度ぐらいの割合でそこに通って油絵を学びました。その時基礎から教えてくれたのが、O先生です。Photo


生徒のほとんどは20代の若い女性で、中年男子の生徒は私一人。ご覧の写真のようにカンバスを並べるとぎっしりになってしまうアトリエでしたが、痩せぎすで口ひげのダンディなO先生は飄々として、カンバスの間を縫うように歩き、ジョーク混じりの口調で一人ひとりきめ細かく指導してくれました。私よりも数歳年上の暖かい人柄の先生でした。001


その当時に描いた私のへたくそな作品たちです。今夜突然、当時仲良しだった女生徒で今はママさんになっている方から20数年ぶりに電話をもらい、O先生が先月病気で亡くなっていたことを知らされました。O先生は阪神淡路大震災のあと教室をたたんで引越されてしまったので、連絡がとれないまま長い年月を過ごしてしまっただけに、胸がチクチク痛みました。O先生も、私同様、奥様(やはり画家です)に先立たれており、寂しい晩年ではなかったのかと、とても気になりました。神戸訛りの毒舌で、私の絵のダメな部分をあれこれ指摘し、どのように描くべきかを優しく説く先生の声が、今あざやかに耳に蘇ってきます。先生の冥福を祈ります。

春深き絵筆一本づつ洗ひ       大波

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