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映画「悪人」

封切りからだいぶ時間がたってしまいましたが、映画「悪人」を観に行きました。監督は「フラガール」の李相日。主演の妻夫木聡が映画化を熱望した小説が原作ですが、私は読んでいません。Img_1446

成り行きで一人の女性を絞め殺してしまった青年と、出会い系サイトで知り合ったばかりなのに犯人を支えながら逃亡劇を繰り広げる洋服量販店員の女性。この二人を中心にした群像劇ですが、このところ時代劇映画ばかり観ていたので、とても新鮮。かつ今の時代の寂しさと愚かさと痛さがひしひしと迫ってくる秀作だと思いました。Img_1453

金髪のブッキーは、目玉がどろりと濁り、終始無表情。心のうちに得体の知れない何ものかを抱え込んだ若者の存在感を見事に表現していました。う~む、こんなブッキー、初めて見たなあ。Img_1454

それにもまして、深津絵里のソバカスだらけのアップをものともしない体当たり演技には、ホトホト感服せざるを得ませんでした。出会い系サイトで、他者との絆を求める現代女性の哀れさが全身に滲み出ていると思いました。Img_1451

娘を殺された柄本明は「雷桜」につづいて、「目」の演技が凄まじかったです。殺人犯を育てあげたおばあちゃんの樹木希林の、ほとんど原初的なもがき苦しむ姿も忘れられません。「悪人」という題名の映画ですが、観終わった人は誰でも「はて、悪人って、誰のこと?」と考え込んでしまうのではないでしょうか。簡単には結論に辿り着かない奥深い映画でした。

善悪を二つながらの寒さかな       大波

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