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「風貌談~男優の肖像」

台風が去った後も、気温はあまり上がらずに、ようやく秋めいた感じになりましたが、また暑さがぶり返すそうで、まだまだ身も心もゆるめるわけにはいかないようですね。でも夜は、窓から入ってくる風が爽やかな感じで、やっと「読書の秋」とか「燈火親しむ」とかいう言葉を思い出しました。Img_0959

取り出しましたのは、先日新宿の古書市で買った「風貌談~男優の肖像」(文藝春秋)という平成八年出版の本。作家や評論家などの映画好きが、内外の男優30人について写真入りで書いたファン・レター、といった感じの本です。ジャン・ギャバンやマーロン・ブランドといった主役級の俳優はもちろんですが、ウォルター・ブレナンやバリー・フィッツジェラルドら懐かしい脇役俳優も登場し、私のようなオールド映画ファンには堪えられません。Img_0960

日本映画では、まず、この人、伊藤雄之助について出久根達郎が書いていますが、何と言っても「生きる」で志村喬につきまとうメフィスト的な文士役が強烈でしたね。私は、個人的には、「忍びの者」の市川雷蔵を操る奇奇怪怪な忍びの頭領の雄之助が大好きでした。怪優です。Img_0961

黒澤映画の最高傑作「七人の侍」で、寡黙な剣豪を演じた宮口精二にシビレませんでしたか?この人については映画通のミステリー作家・都築道夫が愛情こめて書いています。「張り込み」の刑事役も忘れがたかったし、こういう味のある脇役ってもういなくなりましたねえ。笹野高史や香川照之は、まだまだだよ(笑)。Img_0964


伴淳三郎については、石和鷹という人が書いています。「飢餓海峡」の執念の刑事役は、やっぱり忘れられませんね。東北人の私としては、悲哀のにじむ伴淳の体臭とズウズウ弁がピッタリきたのです。このほか、この本には、三井弘次やエドワード・G・ロビンソンなど好みの男優がずらりと揃っていて、これから秋の夜長をたっぷり楽しめそうです。


一筋の風を残して野分晴        大波

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