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「高峰秀子」という本

先にわが愛犬デコの名にからんで、女優高峰秀子のことをちょっと書きましたが、実はキネマ旬報社から「高峰秀子」という豪華なムックが出版されており、子どもの頃からのデコちゃんファンだった私は勿論これを買いました。日本の女優さんのこの種の本を買ったのは、初めてのことです。Img_0467


読んで実に面白かったのは、デコちゃんの数多い出演作に対する彼女自身のコメントで、例えば小津安二郎の「宗方姉妹」で小津が田中絹代を苛めて苛めて苛め抜いたという裏話を素っ破抜いたり、「妻の心」で共演の三船敏郎が不器用なアクションでドブに落っこちてしまった話を披露したり、繊細な反面あっけらかんと豪胆な性格も併せ持つデコちゃんの魅力満載のコメントでした。Img_0466


「二十四の瞳」とか「浮雲」とかの名作は勿論ですが、私が鮮烈にデコちゃんを印象づけられたのは、実はほとんどセリフも無く日常に埋没しているかのような主婦役を演じた「張り込み」の彼女でした。大木実と宮口精二の二人の刑事に監視されながら、じっと殺人犯である元恋人(田村高広)を待ち続けるデコちゃんは、ほとんどが遠見の姿でしかスクリーンに登場しないのですけれど、たしかにこういう不幸な女性があそこに生きている、と感じさせるような名演だったと思います。それだけにクライマックスの再会の場面の哀しさは、ひとしおのものがありました。Img_0471


この時代の人気女優といえば、デコちゃんと原節子が双璧だったと思いますが、私は間違いなくデコちゃん派ですね。原節子の永遠の美貌にも憧れを持たないわけではありませんが、温もりも行動力もある庶民派女優のデコちゃんの映画は何度でも観ても決して飽きることがないと信じています。「銀座カンカン娘」も、「カルメン故郷に帰る」も、とってもいいですよお!


草取女目元高峰秀子似で       大波

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