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川本三郎「いまも、君を想う」

正直な話、連れ合いに先立たれた方の看護日記やドキュメンタリーを読むのは、かなり気が重いのです。自分も八年前に全く同じ境遇にあったので、深い嘆きの文章の一節一節が重く心にのしかかってくるような気がするからです。005_2


評論家の川本三郎さんは私より七歳ほどお若いのですが、映画評論にジャーナリスティックな目が光っていて、『時代劇ここにあり』(平凡社)などの著書を愛読しています。その川本さんが妻の恵子さんを癌で亡くされたのが二年前。57歳の若さだったというから、嘆きもより深かったに違いありません。川本さんの文章が「感傷的にだけはなるまい」と決意をこめた抑制の利いたものだったので、最後のページまで読むことができました。でも、「家内には何もしてやれなかった」という痛恨の想いは、そのまま私自身の気持ちでもあるので、強く胸を打たれました。川本さんの映画評論は、これからも読み続けようと思います。

梅雨近き校庭ひとり走りけり        大波

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