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「巨人たちの俳句」

…と言っても、巨人軍の原監督が一句捻ったという話ではありません。日本の文化史に名を残した偉大な人たちが趣味として俳句・俳諧に遊んだという歴史的事実を、マジに記述した珍しい俳句本です(平凡社新書)。著者は磯辺勝さんという方。私はあいにく存じ上げない人ですが、著者紹介を読むと「藍生」や「ににん」に籍を置く(置いた?)エッセイスト・俳人であるらしいです。とりあげた「巨人」は全部で6人、永井荷風、堺利彦、南方熊楠、物外和尚、平賀源内、二世市川団十郎という豪華版です。このうち物外、源内、団十郎あたりはかなり古い時代の文化人なので、私はあまり興味を持てませんでしたが、粘菌研究の熊楠などはいったいどんな句を詠んでいるのだろうかと興味をそそられました。しかし、磯辺さんが最も力を入れて書いていると私が感じたのは、社会主義者堺利彦のくだりで、堺は何度も投獄される厳しい人生を「心の弾力」で受け止めており、「心の弾力の表れが、俳句というかたちでも示された諧謔精神だった」と分析しているのは実に的確だと思いました。新書ながら、あまり一般的とは言えない俳書ですが、よく読めば教えられることも多い筈です。おすすめです。

連休中は、人の多いところをできるだけ避けてせっせと歩き、初夏の陽気と自然を満喫しました。

  鳥籠に鳥のをらざる子供の日        大波

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