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貸本屋さんの思い出

朝ドラ「ゲゲゲの女房」を観ていたら、なんと、松坂慶子・佐々木すみ江の「篤姫教育指導係」の二大女優が貸本屋さんを営んでいるではありませんか! お二人の貫禄に感じ入ったのはともかく、「貸本屋」という今はどこにも見られない空間がとても懐かしく感じられました。ちょうど私の学生時代、昭和30年代前半は親からもらう小遣いやバイト代だけでは、高価な単行本はもちろん雑誌さえ買う余裕がなく、貸本屋さんにはたっぷりお世話になったものです。白土三平やつげ義春、水木しげるら、のちのガロ系の漫画家の作品は、貸本屋さんで読んだのが、ファーストコンタクトでしたね。もっともお世話になったのが「別冊宝石」というミステリー専門の分厚い雑誌で、これでレイモンド・チャンドラーやエラリー・クイーン、G・K・チェスタートン、ジョン・ディクソン・カーといった海外ミステリー作家の代表作を読みまくった思い出があります。横溝正史の金田一耕介ものも、ほとんど貸本で読みました。これらの雑誌は、何人もの借り手を経ているため、かなりボロボロの状態になっており、それ以上破れたりしないように実に丁寧に取り扱ったものです。朝ドラで観るよりもう少し薄暗い感じの店でしたが、一冊10円で借りられる貸本が、今日の私の教養(?)の基礎をつくってくれたのは確かなことでした。

  春惜しむわが足音は老の音        大波

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