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反骨無頼の俳人たち

これは山頭火の評伝で知られる村上護さんが去年の暮に出版した本です(春陽堂)。虚子を軸にする俳句の主流に背を向けてそれぞれ独自の道を歩いた反主流俳人十人のアンソロジーと言ってよいでしょうか。選ばれた「反骨無頼」の十人とは、藤木清子、片山桃史、栗林一石路、三橋鷹女、西東三鬼、富澤赤黄男、橋本夢道、細谷源二、鈴木しづ子、渡邊白泉、といったコワモテの面々。一人150句ずつを選んで、村上さんの解説つきで紹介しているのですが、自由律俳句だろうが伝統俳句だろうが、どの人の句にも戦争の影が色濃く滲んでいるのに、強く胸を打たれました。解説によれば十人のうち五人までが治安維持法による弾圧で拘禁されているとのことで、「反骨無頼」は求めてそうなったというより、昭和という時代によって俳人もまた険しい道を歩かされたのだと思わざるを得ませんでした。一石路の「ごうごうと木枯四十八年白のごとし」などという句に圧倒されました。花鳥諷詠だけではない俳句の世界を求める人には、うってつけの本かもしれません。

  はくれんの一樹さむげに揺れてをり        大波

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