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啓蟄のシューマン

啓蟄の句としてよく蟻が詠まれますが、私も蟻が虫の骸を引いているのを目撃しました。きょうは近くのパルテノン多摩で、新日本フィルの演奏会がありましたので、私もごそごそと穴から這い出して聴きにいきました。お目当ては、シューマンのピアノ曲弾きとして有名な伊藤恵さん。仲道郁代さんや、この伊藤恵さんは、曲に入り込むと何かをぶつぶつ呟きながら鍵盤を叩く姿となるのが特徴で、そういう風に曲にとり憑かれた状態の彼女の演奏は、間違いなく情感豊かでぐんぐん胸に迫ってくるんですよね。きょうは伊藤さんのオハコのシューマンのピアノ協奏曲でしたので、たちまち伊藤さんの十指に浪漫の神が降りてきて、ヴォルフ=ディーター・ハウシルト指揮のオーケストラとともに波のようにうねっては砕け散る音楽をたっぷり堪能できました。演奏会が終って外へ出てみると、相変わらず小雨が降りつづいていて、折角穴から出てきた虫たちも、寒さで震え上がっているのではないかなあ。

  啓蟄やビニール傘の骨脆く       大波

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