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吉田秋生「海街diary」

少女マンガと言っても、実は幅が広く奥深いものだということを教えてくれたのは、吉田秋生(あきみ)でした。映画にもなった「櫻の園」や、これも映画になった一種のホラーもの「吉祥天女」や、基地の町で生きる非行少年たちを描いた「河よりも長くゆるやかに」など、私にとって忘れられない作品が実に数多くあります。その吉田秋生の最新作が、鎌倉を舞台に四人姉妹の絆を繊細に描いた「海街diary」、一年に単行本一冊ずつ出すという超スローペースで、三年かけてこれまでにたった三巻しか単行本が出ていません。しかし、その悠々としたペースがこの静かな情感を漂わせるマンガにぴったりマッチしていて、30巻~40巻発行は当たり前というコミックスの怒涛の世界の中で、独自の地位を築いているように見えます。鎌倉という土地を舞台にしているせいか、まるで小津安二郎か成瀬巳喜男の映画のような感じもします。マンガといいながらも、こういう本は大事にじっくり味わうべきなのでしょうね。それにしても、萩尾望都、大島弓子、山岸涼子、そしてこの吉田秋生と、一世代前の少女マンガ家たちは、みな仰ぎ見るような大きな存在に感じます。古希を過ぎたこのじいさんにも…(笑)。

  春浅き夜半に音なく降る雪は        大波

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