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川崎展宏氏を悼む

自分がいい年になってきたのだから当たり前のことですが、好きだった俳人が次々に逝ってしまわれるのが寂しくてなりません。昭和一ケタ俳人の数は、川崎展宏先生の逝去によりますます寥寥たるものとなってしまいました。展宏先生は、以前私の仕事の関係でよくお顔を拝見したものですが、いつも明るく知的な雰囲気で、若い女性スタッフらに最も人気のある俳人でした。まことに人間的なお人柄の先生だったと思います。「うしろ手に一寸紫式部の実」「鮎の腸口をちひさく開けて食ふ」「鶏頭に鶏頭ごつと触れゐたる」「一葉忌とはこんなにも暖かな」…俳句も体温が感じられるような秀作が多いですね。展宏先生は第一句集の「葛の葉」のあとがきで、「俳句は遊びだと思っている。余技という意味ではない。いってみれば、その他一切は余技である」と書かれていますが、これはある意味で壮絶な決意表明だと思い、私は深く共感しました。「遊びだから息苦しい作品はいけない」という教えは、今も肝に銘じています。謹んでご冥福をお祈りします。

  髪うすき嬰のあたまの師走かな        大波

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