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藤沢周平の初期短編

先日、松島に吟行に行ったとき、列車の中で何か読むものをと思って買ったのが、藤沢周平の未刊行初期短編「無用の隠密」(文春文庫)でした。結構分厚い文庫本ですので、旅行中読み始めて、旅行から帰っても読み続け、10日たってもまだ読み終わらないという、老年活字離れ症候群の影響がモロに出ています(笑)。でも、この本は、超面白い。周平先生が本格的な作家デビューする前、大衆チャンバラ小説雑誌などに発表した短編小説15編が揃っているのですが、忍者ものあり、戦国ものあり、市井ものあり、浮世絵師ものありとなかなかバラエティに富んでいます。物語が尻切れトンボに終るなど構成が弱かったり、大衆小説誌向けに周平先生らしからぬドギツイ場面があったりと、若書きの欠陥が露呈しているのですが、そこがまた魅力的。でも、流石に周平先生の自然・季節描写は、のちの傑作小説群並みに鮮やかなものですよ。やっぱり、俳句で鍛えたからかなあ。どうやら500ページを超えるこの短編集を最後まで読み切ることになりそうです。

  肩尖らせ雨の落葉の階段を       大波

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