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名もなき毒

まったく久しぶりにミステリーを一冊読みました。宮部みゆき「名もなき毒」(カッパ・ノベルス)。たびたび申し上げている通り、最近の私には活字の本を一気に読み通すパワーがなく、したがって毎晩布団に潜り込んで眠りに就くまでの数分間、チビチビという感じでこの「名もなき毒」を読み続けていましたので、一冊読了するまでに気の遠くなるような時間がかかったのは事実です。それでも、宮部みゆきさんの語り口のうまさで、毎晩次がどうなるだろうと頁をめくるのが楽しみでした。昔、イギリスあたりで老人が毎夜暖炉のかたわらで紅茶などを啜りながらミステリーのページを繰っていたというのは、ちょうどこんな感じなのかも…。「名もなき毒」は、スーパーや自販機に毒物を混入する無差別犯罪が背景にある一方、土地土壌汚染とかシックハウス症候群とかの「毒」にも視野を広げた社会性の色濃いミステリーです。宮部みゆきさんは、時代物もとても面白いのですが、やはり「火車」とか「クロスファイア」とかの現代の「闇」を捉えた作品が抜群だと思います。これで、活字を読む気力が取り戻せたような気がして、ちょっぴり嬉しいな。

  ご老体ゆるゆるござれ落葉道      大波

あすから二日ほど吟行で留守にしますので、臨時休業です。ど~も済みません。

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