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笠智衆「大船日記」

いま「りゅうちしゅう」とパソコンに打ち込んで変換したら、「留置集」と出てきました。そりゃ、そうだろうなあ(笑)。笠智衆の著書「大船日記~小津安二郎先生の思い出」(扶桑社)を調布の古本屋で500円で買い求めました。後書を読むと、どうやら笠さんの語りを書きとめてまとめた本であるらしく、笠さんの熊本訛りの混じったセリフを思わせる、訥々とした文体の一冊になっていました。小津映画のスチルをはじめ写真も満載。大部屋でくすぶっていた笠さんが小津安二郎監督に見出され、60年余りの俳優人生を送るまでのことを平易に親しみやすく書き綴られています。いい本でしたねえ。これは、笠さんが自分ほど小津監督にダメを出されて何度も演技のやり直しをさせられた俳優はいないと語る謙虚さ、誠実さが隅々まで滲み出ているせいだと思います。寅さんシリーズの御前さまでもそうですが、私たちがスクリーンの笠さんを見ていたときは、演技を見ていたのではなくて、笠さんの人間そのものを見ていたのだなあ、とこの本を読みながら改めて思いました。

  笠智衆のやうに老いたき露時雨       大波

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