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上田五千石五百句

故上田五千石については、まことに不勉強なことながら、有名な「もがり笛風の又三郎やあーい」の作者であることぐらいしか知りませんでした。五千石逝去後に後を継がれた上田日差子さんと知り合う機会を得て、彼女の主宰誌「ランブル」のご恵贈をいただくようになり、五千石という俳人がいったいどのような人であったのか、少しずつ知るようになりました。今年は五千石の十三回忌にあたるということで、「ランブル」9月号に添えて「上田五千石五百句」という80ページの小冊子を頂戴しました。五千石の五冊の句集から日差子さんが選んだ五百句が読みやすい大きな活字で並べられており、五千石俳句を読む上でたいへんに有り難い一冊です。これを読むと、五千石が師の秋元不死男ゆずりのポエジー精神満載の俳人であることがよく分かり、写生一辺倒の私などには思いもつかない新鮮な取り合わせの句の数々に大いに学ばせてもらいました。取り合わせの句はアタマで考えて作るのではなく、目の前の「こと」や「もの」にハッとなった時におのずから言葉がととのって句になるのだという「眼前直覚」が五千石の持論だったわけですが、その「ハッとなる」感覚を養うのが超難しいんだよなあ、というのが凡俳人である私の嘆きです。

  翅黒き夏蝶くづれとふ風情       大波

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