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デコちゃん=高峰秀子の魅力

CS放送で、成瀬巳喜男や木下恵介が監督する古い日本映画を観ていると、いつも主演女優の高峰秀子の魅力に否応なしに引きずり込まれてしまいます。デコちゃん=高峰秀子は、「二十四の瞳」のような凛として優しい教師役を演じたかと思うと、もう一方では「浮雲」のヒロインのように愛欲の果てに地獄の底まで男とともに堕ちてゆく役もこなし、いずれもごく自然な誇張のない演技に圧倒されてしまいます。彼女はまた、「銀座カンカン娘」とか「カルメン故郷に帰る」といったハジけた娘役も守備範囲にあり、総合して考えてみると彼女の魅力のポイントは、あの暗い戦中戦後の時代にも、決して「明るさ」を失わなかった点にあるのではないかと思います。「浮雲」のようなひたすら暗い映画でも、私にはなんとなくほの明るい感じがするのです。子役時代から人気スターだったデコちゃんは、大人になってもどこかにアイドル性を保っていたのかも知れません。私は、宮崎あおいや蒼井優、綾瀬はるかといった若手の女優さんたちに、デコちゃん的な「堕ちる」演技を引き継いでもらいたいなあ、と秘かに願っているのですが……。

  不意に落つ青団栗の硬き音        大波

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