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西部劇の悪役たち

若かった頃に観ていた映画は、西部劇が中心でした。その西部劇も、いわゆるインディアンに対する人種差別問題が絡んだり、ベトナム戦争を契機に「力の正義」の思想がぐらついたりして、次第に衰退していったわけで、私の青春時代もそれとともに衰退していった気がします(笑)。西部劇華やかなりし頃、私が好きだったのは主役のヒーローよりも、むしろ最後には撃ち殺されてしまう悪役のほうでした。屈折した青春時代だったせいでしょうね。もっとも好きだったのは、ゲーリー・クーパーの「西部の男」での悪い判事役、ウオルター・ブレナンという人。ブレナンは映画ではほとんどが人のいい爺さん役でしたが、「荒野の決闘」のクラントン爺とこの映画の二本だけは典型的な悪役でした。東部の舞台女優に憧れながらクーパーと射ち合って、結局はあえない最後をとげる哀愁ただよう西部のワル爺いは今でも忘れられません。次に強烈に憶えているのは、ジェームズ・スチュアートの「ウィンチェスター銃73」に出ていたいつもニッコリ笑顔の金髪の悪漢、ダン・デュリエです。笑いながら冗談半分で人を殺すほんとに悪いヤツでしたが、最後にジミーに撃たれた時だけは笑顔ではなく超マジな顔だったのが、なんとなく哀れでした。三番目に好きな悪役は、ジョン・フォードの「リバティ・バランスを撃った男」のリー・マーヴィン。不条理に暴れまくる極悪人なのに、名前が「リバティ(自由)・バランス(均衡)」という皮肉が、なんだか胸にこたえる悪役ぶりでした。

  大ひなる夕日の沈む夏木立        大波

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