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コイツァンの猫

これは、句集のタイトルなんです。変わったタイトルでしょう? 作者は「海程」同人で「豆の木」代表のこしのゆみこさんで、これは何とこしのさんの第一句集なんですよ!(ふらんす堂) あとがきによりますと、コイツァン(COIZAN)とは、イタリアの海辺の町の名前だそうで、どうやら音の響きが気に入って、こんなタイトルをつけたようであります。「昼寝する父に睫のありにけり」「片恋のキャベツおかわりする自由」「郭公の鳴いているのは違う県」「二次会や白鳥のなかに入っていく」「ひよこ売りについていきたいあたたかい」…こしのさんの俳句はシュールなんだけど、そのシュールさ加減が実に適度で、ほっこり暖かくて、なんだか可愛い感じがするのです。私は、好きですね。序文の金子兜太先生がまた特別に暖かくて、目尻がだらりと下がっている感じがするのが、なんだか可笑しくてたまりません。こしのさんは、「自分は五・七・五感覚が音痴」と言っているそうですが、日常語も五七五で喋っているような優秀俳人よりも、音痴俳人のほうがより親しみが湧くことよ、と私は思っています。

  花といふ花散り終へしきのふけふ      大波

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