« 2009年4月28日 | トップページ | 2009年4月30日 »

藤沢周平「密謀」

大河ドラマ「天地人」、これはあくまでも私の場合ですが、まだ「篤姫」ほど熱中できない状態のままです。どうしてなのかな? 主人公直江兼続が、篤姫ほど時代を超越した自主性を発揮せず、昔ながらの大河の主人公そのままにひたすら主君大事、お家大事の人であるからなのかも知れません。火坂雅志の原作本をパラパラ読んではみたのですが、残念ながらこれもあまり胸に食い込んではこず、たまたま副読本のつもりで藤沢周平の「密謀」を読み始めたところ、こちらのほうは圧倒的に面白くて、どうやら文庫本の上下二巻を全部読んでしまうことになりそうです。「密謀」は同じく直江兼続を主人公としながら、関が原合戦の前夜に絞って、上杉の軍がなぜ徳川追撃に動かなかったのかという歴史上の謎に小説のかたちで迫ったもので、司馬遼太郎の「関が原」とはまた違った味わいの戦国ものになっています。上杉家は関が原合戦のあと山形・米沢の地に移封されるわけですが、藤沢さんの故郷を思う愛情が生んだ小説なのだと思うと、淡々とした筆致ながらも、小説世界に引きずり込むそのパワーが理解できる気持ちになります。大河ドラマも恐らく後半に、関が原前後に舞台を移すと思いますので、そのあたりを期待したいですね。

  行く春の地に白鳥の墓ふたつ        大波

| | コメント (0)

« 2009年4月28日 | トップページ | 2009年4月30日 »