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三井葉子さんの詩

詩人の三井葉子さんから、彼女が責任編集者をつとめている季刊の詩誌「楽市」がとどきました。私はこの20年近い歴史を持つ詩誌が、大好きです。だって、三井さんの最新の詩が読めるんですから…。今度の号では、「母」という短い詩に打たれました。三井さんのおかあさんは、夜、マスクをかけて寝るということを書いた詩で、「どんなに考えても夜の底でマスクをして寝ている母は/さびしい」という2行に心底参りました。白いマスクが夜のなかで「舟出を待っている」ようだ、とも三井さんは書いています。理屈ではない母親への三井さんの気持ちが、ほの見えてくるような気持ちがします。ほんとうに三井さんは、観念などでは詩を書かない人で、安西均は彼女の詩の文体を「恋ぶみ的てんめん体」と表現したことがあります。私もモロに彼女の影響を受けて、「花風巻く」という詩をかいてみたことがあります(詩集「告知」収載)が、三井さんの詩は生粋の上方弁、私は仙台のズーズー弁ですから、当然あまりうまくいかなかったと反省しています。三井さんは、お会いすれば明るく楽しい笑い声を上げて、こちらまで明るい気持ちにさせてくれる方ですが、あの明るさ楽しさのどこに詩に書かれるようなふっくらした香りがひそんでいるのかと、首をひねるばかりです。

  散り初めし花に迷ひのなく散りぬ        大波

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