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深見けん二句集「蝶に会ふ」

先日の俳人協会懇親会で深見けん二先生にひさしぶりにお会いしてお話しすることができたのですが、深見先生ははますます痩身痩躯になられたものの、太極拳で鍛えたお体は元気いっぱいと拝見しました。その深見先生の最新句集「蝶に会ふ」(ふらんす堂)がとどき、まだざっとですけれど、有り難く読ませていただきました。冒頭一句目、「紅梅のこの一輪の花かたち」…何事もないのだけれど、ふっとそこに紅い花の一輪が見えてくるようなこの句で、たちまち深見ワールドに入り込んでしまうのです。きょうの東京は雪でしたが、「降り止んで眺めるほどに庭の雪」の句は、まるで夜中過ぎのわが窓の景色をそのまま写生しているかのようでした。近年の先生の句はますます人間味を増していて、「七夕や空手にはげむ孫娘」とか、「次男から長男からのお年玉」とかの句に、微笑を禁じ得ませんでした。そして、「老いてなほ基本大切初稽古」の一句。そうでした、そうでした。うっかり基本を忘れそうになる我が身を省みて、気を引き締めなけりゃと深くうなずいたのでした。

  淡雪のなほ降りつづき雛祭       大波

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