« 2009年3月1日 | トップページ | 2009年3月3日 »

地震百句

猫髭さん、「なんぢや」収載の渡辺夏紀さんの「地震百句」についてのご教示、有難うございました。多くの方がご存じでしょうが、「地震百句」は神戸市須磨区にお住まいだった夏紀さんが、阪神淡路大震災の実体験とボランティア活動で見聞したさまざまな景や出来事を百句にまとめ、手造りの私家版の句集として句友や関係の方々にお分けしたものです。2007年に他界された夏紀さんの生前唯一の句集です。夏紀さんは、西野文代さんらとともに波多野爽波の「青」で鍛え上げた骨格正しい俳人でしたが、この句集では文代さんが言うように言葉のほとばしるままに詠まれた魂の叫びの句が並び、字余り無季の句も含まれています。「大寒や出ない蛇口の頭を叩く」「手にとつて瓦礫の山のぬひぐるみ」「春の雪地割れの底に消えて行く」「たくさんのやさしさにふれ柳の芽」…この一冊を開くと、あのとき夏紀さんの周辺でどんなことが起きて、夏紀さんが何を感じたのか、今も生々しく伝わってきます。夏紀さんが病と闘われるようになったあと、ご一緒に奈良を吟行した時のことが今も忘れられません。般若寺の満開のコスモスの中にぽつんと座られ、句を練っておられた夏紀さん。正義感に溢れ、優しさに溢れた夏紀さん、その人から頂いた「地震百句」は、ほんとうの私の宝物です。

きょうは矢川緑地の吟行でした。春寒の陽気が快い吟行でした。

  芽柳の天より届くうすみどり       大波

| | コメント (0)

« 2009年3月1日 | トップページ | 2009年3月3日 »