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少年メリケンサック

とうとう、このノンストップ暴走映画を観てしまいました。映画の冒頭、宮崎あおいちゃんがパソコンの画面を見ているうちにカンペキな寄り目になってしまう表情を映したドアップのカットで、彼女が「篤姫」的な境地を自らブッ壊しにかかった映画だということを否応なく了解しました。無茶苦茶なおっさんパンクロックのバンドをプロデュースするという彼女の千変万化の表情、動作、セリフ…どれをとっても超面白く、佐藤浩市・木村祐一・田口トモロヲ・三宅弘城のおっさんロッカーたちに振り回されながら、結局彼らを圧倒してしまうパワーに、わたしゃ心底惚れ抜きました。断っておきますが、この宮藤官九郎監督作品は、前作「真夜中の弥次さん喜多さん」同様に、クドカン大好き人間以外には受け入れがたい映画だと私は思います。何しろ映画のほとんどの場面で流れるパンクの轟音が超うるさすぎます。特に中川元財務大臣なみにロレツの回らない田口トモロヲの言語障害ボーカルには、みんなマジでマイってしまうのではないかしら。私は大笑いで受け入れましたが…。掘り出し物は、あおいちゃんの恋人役の勝地涼くんのへろへろフォークシンガーで、この男の凄まじく下手な歌が流れてあおいちゃんがうっとりした表情になるたびに、笑いがとまりませんでした。イケメン俳優の涼くんも、あおいちゃんと共に壊れてしまったのですねえ。あおいちゃんが、「闇の子供たち」のような深刻映画でシリアス演技につとめる一方、かくもブッ飛んだコメディエンヌとして大きな一歩を踏み出したことに、賛辞を捧げます。

  饒舌な母紅梅の下にゐて        大波

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