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夢千代日記

吉永小百合さんという女優を、あまりに優等生すぎるためか、私はどうも近寄り難いという印象を持ってしまうのですが、唯一の例外が「夢千代日記」です。どうしてなのかな? 原爆後遺症の苦しみを背負った温泉町の芸者という役柄に惹かれてしまうのでしょうか。CSで浦山桐郎監督の遺作となった「夢千代日記」映画版を放映していまして、それを観ているうちに、夢千代を取り巻く人間関係=樹木希林の大年増芸者、小川真由美演じる旅芝居の女座長、ストリッパー、田舎警察の刑事、殺人犯といった猥雑な人々が、夢千代のはかない美しさを引き立てているのだと気がつきました。テレビドラマでも、子連れ芸者の秋吉久美子、ストリッパーの緑魔子、元ボクサーの松田優作といった吉永小百合とは反対側の俳優さんたちが、濃厚な雰囲気をつくりあげていましたものね。女優さんの美しさ、魅力というものは、その人の天性の資質が大きいのは勿論ですが、作品ごとにスタッフ・キャスト総がかりで創りあげていくものだということを、今更ですけれどしみじみ感じた次第です。「夢千代」の場合、最も大きな功績を上げたのは原作・脚本の早坂暁さんなのかも知れませんけれどね。吉永小百合さんは、日活で石原裕次郎映画の脇役をつとめたりしましたが、成長して大女優になってからは脇をつとめることができない存在になってしまったように思います。一本でいいから、肩の力を抜いた軽い役でのコメディか何かを観たいんだけどなあ。そうすれば、もっと好きになるかも…。

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