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小説「RURIKO」

林真理子の小説「RURIKO」(角川書店)は、浅丘ルリ子を主人公にした実名小説です。浅丘ルリ子、本名浅井信子が満州に育ち、日活に入社して「緑はるかに」でデビュー、石原裕次郎との出会いと淡い恋心、小林旭との初体験…等々、あの当時の日活映画を観まくった世代としては、興味津々のエポソードがカラー天然色で華やかに綴られていきます。「ほんまかいな」と疑ってしまうような場面もないではありませんが、流石は真理子おねえさま、撮影所事情などの調べもよく行き届いて、まるで見てきたように旭=ルリ子の痴話ゲンカめいた会話まで書き込んでおり、通俗実名小説としては超面白いっす。やがて、旭の相手として美空ひばりが登場したり、浅丘ルリ子に演技の開眼をさせた愛人の監督が現れたり、こうなると、もう途中で読むのをやめるわけにはまいりません。さらに、裕次郎の死や、ひばりの東京ドーム公演まで盛り込むというてんこ盛りのサービスぶり。石坂浩二との結婚と別れを経て、小説のクライマックスは67歳のルリ子がNHK番組の取材で再び満州を訪れるという場面。どうやら真理子さんは浅丘ルリ子の人生を通じて、昭和という一つの時代を描きたかったようですが、あんまり小説が面白過ぎて、そこのところはもう一つはっきりいたしません。どうも済みません。この小説、ルリ子さんご自身は、読んだのだろうか? きっと、読んだんでしょうね。

  袖長く垂れ大寒の少女かな       大波

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