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子規365日

近代俳句の家元みたいな正岡子規。誰でも名を知る巨人ですが、さて子規はどんな俳句をつくったのかと問われると、「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」「鶏頭の十四五本もありぬべし」の他はあまり知らないということになりはしませんか? そんな子規の句を一日一句、一年365日分紹介し、それぞれの句についてのウンチクを述べている有り難い本が出ました。ズバリ、「子規365日」(朝日新書)がそれです。著者は、郷土松山の偉人子規を愛してやまない「いつき組」組長の夏井いつきさん。膨大な資料をお読みになってのご執筆だそうで、句ごとの解説はとても丁寧で、時折はユーモラスな部分もあり、読みやすいです。だいたい子規の句は、ヘンにひねこびたりしなくて、のびやかで素直で気持ちのいいものが多いのです。「寒念仏に行きあたりけり寒念仏」みたいなバカバカしい句、私は大好きですねえ。「生御魂七十と申し達者也」…そうか、オレはもう生御魂なんだなあ。「糸瓜咲て痰のつまりし仏かな」…やっぱり辞世の句は、ズキンときますね。自分自身を「仏」と呼んで、客観的に自らの末期の姿を詠むという子規の離れ業、つくづく頭が下がります。凡百の月並みの俳書を読むよりは、子規の句を読んだほうがよっぽどタメになると思いましたね。

  鶏頭の風に揺るるはぎこちなく       大波

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