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四方からの秋風

秋の太陽は目が痛くなるほど烈しく暑いのですが、いったん木陰に入るとさわさわと涼風が立って、ああ、やっぱり秋なんだなあ、と思わせますね。こんなとき思い出すのが深見けん二先生の「屋上に立てば秋風四方より」という句です。六月に出たばかりの「自註現代俳句シリーズ 深見けん二集」(俳人協会)に収められている句ですが、もともとはこの句は私が現役編集者だった時に深見先生とつくった「私の武蔵野探勝」(NHK出版)で詠まれたものです。場所は日本橋高島屋の屋上、歌人の小島ゆかりさんとともに虚子の「武蔵野探勝」の足跡を尋ねては句や歌をつくるという企画の中で、この句が誕生しました。当日作句の現場にいた私としては、句を読むたびにまさに日本橋の四方から爽やかに吹き寄せてきた初秋の風を実感することができるのです。「私の武蔵野探勝」は、私の編集者生活の記念碑として残る大きな仕事だったと思います。あの本を出してからもう五年もたつのですが、大きな本屋さんではまだ棚に並んでいますので、まだ読んでおられない方はぜひ読んでみてください。深見先生と小島さんの絶妙のコンビの会話から、目からウロコが十枚も二十枚も落ちまっせ(笑)。

  家一戸忽然と消ゆ秋の風       大波

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