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句集のネーミング

九月に入ったら、有り難いことには、贈られてくる句集の数がどっと増えました。読書の秋だから、読んでほしいということでしょうか。ちょっと挙げてみますと、小林貴子さん「紅娘(てんとむし)」、小島健さん「蛍光」、照井翠さん「雪浄土」、長嶺千晶さん「つめた貝」等々。句集の題名は、さすがに考え抜かれた魅力的なものばかりです。今私の本棚に並んでいる昔の巨人たちの句集の背表紙をつらつら眺めると、その題名はシンプルにして格調が高いものが多いですね。特に好きなのは、原石鼎「花影」、久保田万太郎「流寓抄」、波多野爽波「一筆」、橋本多佳子「紅絲」、石田波郷「惜命」、京極杞陽「但馬住」、長谷川双魚「ひとつとや」、田中裕明「夜の客人」、その他いっぱいあります。その中でもひときわどっしり構えた不敵な一冊は、高浜虚子「五百句」です。この本は造りも大きいし、一ページに一句が基本(二、三句の頁はほんのちょっと)という大胆な構成で、内容的にも群を抜いているのですが、なにより「五百句」というぶっきらぼうな題名に度肝を抜かれてしまいます。この他に私が所蔵している虚子のものは、「贈答句集」。これもズドンと直球勝負で恐れ入ってしまいます。俳人の美意識が凝り固まった句集名、その中でもやはり虚子は頂上のレベルにあったんだなあ、としみじみ思うのでありました。

  かなかなの声と句集のとどきけり       大波

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