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百万円と苦虫女

なんといっても大好きな蒼井優のたった二本目の主演映画なんだもん、封切を観ないわけにはいかないじゃないですか。はるばるモノレールで立川くんだりまで出かけて、ついに「百万円と苦虫女」を観てしまいました。これは、人によっては好き嫌いの分かれる映画かもしれません。だって、優ちゃんは演技らしい演技、お芝居っぽい演技をまったくしないことを決意したらしくて、例えば観客にセリフがほとんど聞き取れなくても、スクリーン上の相手にさえ確かに言葉が伝わればいいという在り方をしているように見えるんですよ。それは「役に生きる」なんてものじゃなくて、この役以外のどこにも自分はいないという、ある意味で役者としての大冒険に彼女が乗り出したのではないかと思いました。百万円の貯金が溜まると、そこから別の土地へさすらっていくというヒロインの物語は、まるでフーテンの寅さんの別バージョンのようでしたが、「男はつらいよ」がさすらう兄としっかり者の妹の物語だとすると、こちらはさすらう姉と過酷なイジメに耐えて生きる弟の物語でした。旅先にとどく弟の手紙、それに答えて弟を励ます姉の手紙のやりとりに、私は幾度もホロリとしてしまいました。でも映画のラストは、女性監督らしく(タナダユキ)、とっても辛辣。それも含めて、私はこの映画を強く支持します。ところで私は映画鑑賞中に尻ポケットから財布を落としてしまい、映画館を出てからそれに気づいて引き返し、暗闇の中で無事財布を見つけました。あやうく「○万円と泣虫男」になるところでした。つくづくトシはとりたくねえなぁ。

  知らぬひとに凭れて眠る大暑かな     大波

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