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私の所蔵する全集

きのうの田中裕明さんの話のつづきです。「静かな場所」第三号で、森賀まりさんが裕明さん所蔵の「全集」を公開してくれましたが、流石ですねえ、凄い量の「全集」をお持ちです。西脇順三郎、河上徹太郎、森有正、澁澤龍彦(わ、欲しいなあ!)のほかに、フロイト、アラン、ウィトゲンシュタイン、ニーチェなんかも並んでいます。俳句の全集は、虚子と草田男と爽波だけのようですが、学識の広さ、深さが偲ばれますねえ。翻って自分のことを考えてみますと、俳人の「全集」はきのう句に詠んだ虚子、波郷、爽波のほかに素十を持っているだけ。草田男も全集の端本(はしほん、バラ売りのもの)を三四冊持っています。マンションのスペースの関係でどうしてもそうなってしまうのですが、本のほかにLPレコードとCDのコレクションもあるので、これらを整理すればもう少し「全集」を入れる余地があるのかも…。でも、全集を揃えるのは、ある程度の若さだと思うんです。私が俳句のほかに、吉本隆明やジャン・ジロドウ、ジャン・アヌイなどの全集を揃えたのは三十~四十代の頃だったと思いますが、その時代には作家や思想家の全体像を知りたいという欲求が非常に強かったと思います。今は淡々としちゃって、もうそういうニーズがなくなりつつありますね。淋しいことです。「悉く全集にあり」とは、裏返してみると全集の著者の悉くを把握したいという若さの証明だと思いますし、一見老成している裕明さんの俳句はどこかにそうした若さを滲ませていて、それが大きな一つの魅力なのではないでしょうか。

  この階に殊に親しき若楓       大波

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