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吟行の落しもの

桧原村の吟行では10句出しの句会をしたのですが、あれだけ豊かな句材に恵まれた土地では、10句程度で目にしたものすべてを詠むことなど、とてもできるものではありません。心に残りながらも、時間切れで俳句のかたちにならなかったものを、いっぱい落としてきたような気がします。例えば、枯芙蓉、朴落葉、冬鵙、などなど。後日、それらを何とか一句にまとめることができる場合もありますが、たいていは心の片隅に置き去られたままです。ごく稀に再び同じ句材にめぐりあったとき、ありありと記憶が蘇って別な一句をつくるのに役立つ場合もありますが…。俳句って、ほんとうに「一期一会」なんですよねえ。きょうも定点観測的な国立市谷保の吟行に行く予定なのですが、いったいどれだけ貴重な句材をぼろぼろ落としてくるものやら、歯がゆいことでござりまする。

  光る虫飛び交ふ道の朴落葉       大波

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