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平井照敏編「季寄せ」のこと

平井照敏先生で思い出すのは、2001年に私が編集を担当した「季寄せ」です。それ以前に河出書房から文庫版全5巻で発行された平井先生の「新歳時記」を一冊にまとめて「季寄せ」としたものですが、後にも先にもあんなに苦労した仕事はなかったと断言できます。当時私は、1年間ほとんど休みというものを取らないで、この「季寄せ」に取り組んだのです。文庫本とはいえ、5冊分の文章量をそのまま一冊に収めることは到底ムリ。そこで私としては「新歳時記」の原文にかなりの朱(アカ)を入れて、削除整理を先生に提案せざるを得なかったのですが、もともと強い確信を抱いて季語の本意解説を書かれた先生が「削除」に容易に賛同するはずもなく、毎日のようにFAXをやり取りして「ここ、削りましょう」「いや、絶対にダメ!」という応酬を繰り返したのです。あれには相当神経が参りましたが、結果は私の2勝8敗、平井先生の頑固な学者俳人気質に敗れ去ったのでありました。楽しかったのは、「新歳時記」では数多くあった例句を整理して、一つの季語に例句をたった一句に絞ったこと。この季語の究極の一句はこれだ! という気持ちで選んだのは、実に気分がよかったです(笑)。全体を通して、これほど私が季語について学んだ経験はかつてなく、苦労も大きかったけれど、得たものはそれ以上に大きかったようです。今更ですが、天国の平井照敏先生に深い感謝をささげたいと思います。

  今更に過ぎ越し方を虫の声      大波

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