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「趣味は読書」という本

このところ映画の話ばかりしていたので、ここは映画のブログと間違われそうです。そこで、きょうは今読んでいる本の話をしましょう。本のタイトルは「趣味は読書」(ちくま文庫)というのだから、実に人を食った本ですよね。著者は例の「妊娠小説」で名高いフェミニスト文芸評論家(と言っていいのかな?)の斎藤美奈子さん。この本は2002年に単行本で出版されているのですが、「ちくま文庫」版で買ったほうが絶対にオトク。なぜなら、この本は、いわゆるベストセラーとなった本を何十冊も読み、バッタバッタとそれを切り倒す胸のすくような痛快本なのですが、「ちくま文庫」版には「電車男」とか、「国家の品格」とかの最新ベストセラーまで付け加わっているので、いやあ面白い面白い! 例えばその「国家の品格」については、揺れる国際情勢のなかで「だいじょぶ、だいじょぶ、日本は立派な国でちゅよ」と言ってもらいたい人のための「人畜無害な癒し本」であり、酔っ払ったおっちゃんの居酒屋談義に過ぎないと喝破していて、わたしゃ深く共感しました。ほかにも五木寛之「大河の一滴」、日野原重明「生きかた上手」、浅田次郎「鉄道屋(ぽっぽや)」、リリー・フランキー「東京タワー」、石原真理子「ふぞろいな秘密」などなど……美奈子先生のふざけているようで、実はまっすぐでウソのない鋭利なメスの餌食になっています。私も結構本好きの部類に入ると思いますし、頭が悪いので時々ベストセラーの罠にはまるのですが、基本的にはよく売れる本、よく客の入る映画などには疑いの目を向ける性格ですので、この「趣味は読書」がひさびさに糧となりました。強力推薦。

  みんみんと頭の中で鳴つてゐる       大波

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