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五所平之助監督の俳句

五所監督は、初代田中絹代版「伊豆の踊子」をはじめ、かずかずの抒情的な映画作品を作った人ですが、私が見たのは北海道の自然と久我美子のストール姿が美しかった「挽歌」など数本に過ぎません。現在ではDVDにもなっていない映画が殆どで、井上靖原作の「わが愛」(通夜の客)や「猟銃」の映画化は名作と言われているだけに、なんとか観たいのになあ。この五所監督は俳句もよく作った人で、句集も何冊か出されていますが、そのうちの最後の一冊を私は所蔵しています。句集名は「生きる」…黒澤明の句集と間違われそうですが(笑)、「生きることは一筋がよし寒椿」という句から取った題名でしょう。病気をしてから他界するまでの100句をまとめており、絶句となった「花おぼろほとけ誘(いざな)ふ散歩道」が胸を打ちます。伊豆の踊子に寄せて、と前書を置いて「夕ざくら旅重ねきて衿に手を」といった句もあり、五所さんは最後まで映画監督だったんだなあ、としみじみしてしまいます。古本屋さんなどで見かけたら、ぜひ立ち読みしてみてください。

  竹皮を脱ぎて墓所への道しるべ       大波

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