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踊るひと

私は生まれつきの体質で、お酒を飲むことができません。従って、本来は、酔っ払って歌ったり踊ったりすることも殆ど出来ないのです。しかし私はこれまで、パーティなどで、浪花節を呻ってみたり、応援団の真似事で拍手の音頭をとってみたり、座を盛り上げる役目を率先して演じてきました。ここに一枚の写真があります。私が属している俳句結社のひとつの5周年のパーティで、金屏風の舞台に上って、ある先輩の女性とともに扇子をかざして踊り狂っている写真です。よくもまあシラフでこんな真似ができるものだと自分でも思いますが、所詮は下戸の酔態、ふっと素に戻ってしまって、本来大いに盛り上げるべきところでサムい隙間風を招いたことがあるかもしれません。それをいつも救ってくれたのがこの先輩の女性です。彼女は、ここが出番という時は必ず実に楽しそうに舞台に躍り出て、踊り歌い、会場を一気にコーフンの渦に巻き込んだのです。彼女の抜群のパフォーマンスに、何度助けられたかしれません。底抜けに明るくて、情に厚い正義感、そして踊り大好き人間のリズム感。彼女は、いつも下戸の私の胸の中で踊り続けています。

  紫雲英(げんげ)田を舞ふがごとくに去りにけり    大波

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