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「ロング・グッドバイ」にグッドバイ

吟行ボケ(お、これはいい表現!)からようやく覚めて、読書意欲のようなものが湧いてきたので、レイモンド・チャンドラー作 村上春樹訳「ロング・グッドバイ」を一気に読了しました。ふうむ、そうか。清水俊二さんの旧訳に比べると、春樹くんの新訳は分かりやすく、スマートで、キレもよい。主人公の探偵フィリップ・マーロウが、死んだ(と思われる)友のためにコーヒーを淹れてタバコに火を点ける場面など、ジーンときましたよ(これを陰膳ではなく、陰煙草と言うらしい)。きょうはたまたま、ウエザー・リポートという超モダンなジャズのグループのCD「ヘビー・ウエザー」を聴きながらこの本を読んだのですが、春樹訳の文体にはリズムがピッタリ合っているような気がしました。清水俊二さんの武骨な文体には、やっぱりマイルス・デイヴィスの初期の演奏なんかが似合うのだろうな。でも、結論を言えば、私は武骨な旧訳のほうが好きなのでした。なんだか、匂いが違うような気がする。春樹本の表紙は拳銃の絵のカッコいいデザインですが、でもそれはないんじゃないの? 旧訳本のハヤカワ・ポケミスの表紙のように、ウィスキーのボトルとグラスをデザイン化したものが正解だと思います。あ、今気がついた。春樹訳本の値段は1905円+税ですが、清水俊二訳本は280円ポッキリなのでした。

  別れとは桜蘂ふる道歩み      大波

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