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谷川俊太郎の2冊

現存の詩人で、金子みすずや寺山修司と張り合える人というと、谷川俊太郎ぐらいしかいないかもしれませんね。気取りが無くて、分かりやすくて、声を出して読める谷川さんの詩は私も好きです。その谷川さんの比較的新しい本が、和田誠さんの絵とのコラボレーションである「すき」(理論社)という一冊。子ども向けに書きおろしたほぼオール平仮名の詩集です。でも、「もしぼくがはこだったら/だれにもなにもいれさせない/からっぽがいい いつまでも」なんて一節を読むだけで、見かけの平易さよりも深い谷川ワールドの穴ぼこにぽこんと落っこちてしまいます。もう一冊は、絵本作家太田大八さんとコラボった「詩人の墓」(集英社)というオールカラーの美しい本。詩人と娘との愛を綴った長編詩は、詩というものについての谷川さんの考え方や感じ方を、そのまま一篇の詩にしているような気がします。娘が詩人に対して「何か言って 詩じゃないことを!」と叫び、詩人の墓には「言葉はなにひとつ刻まれていなかった」というあたり、深い哀しみが滲み出ていて、胸がキュンとしてしまいます。俳句好きの方も、たまには現代詩もいかがですか?

  惜春のひらがな書きの詩碑読みぬ     大波

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