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愛欲小説について

…というタイトルだと、みなさん、ナベジュン(渡辺淳一)の「失楽園」とか「愛の流刑地」とかいう作品を思い浮かべるのでしょうね。あいにく、私は「苦手」と言えばナベジュンが究極の大苦手。映画化作品も見ないようにしているんです。どうしてかなあ?「阿寒に果つ」あたりの小説は結構読んだんだけれど、ナベジュン先生がセックス小説に走ってからは、どうも嫌悪感が先に立ちましてね。あ、別にセックス小説が悪いと思っているわけじゃありませんよ。そちらの方面では、私は、今も昔も吉行淳之介先生が大好きで、深く尊敬申し上げております。吉行先生のほうは「ヨシジュン」なんて絶対に呼べません。芥川賞の「驟雨」からぐいぐい引き込まれて、「闇の中の祝祭」「砂の上の植物群」などはどっぷりハマってしまいました。これらの小説のタイトルを読んだだけで、凛とした気迫がつたわってきませんか?アイルケ(愛の流刑地)などのゆるゆるタイトルとは段違いだ。ちなみに、私が真の愛欲小説だと思っているのは、山本周五郎の「おさん」、藤沢周平の「穴熊」です。未読の方は、一度おためしくださいまし。

ところで、3~4日は伊豆下田に吟行に参りますので、俳諧日記はお休みです。悪しからず。

  あたたかく踊り子号の切符かな      大波

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松重豊という俳優

ドラマ「拝啓父上様」に出ている鳶のシャク半さんこと、松重豊が好きです。ぬっと背が高く、目ん玉はギョロと大きく、ヘの字口。キレそうになると、シャックリがとまらなくなるという奇病の持ち主。「前略おふくろ様」時代ならば、故室田日出夫の役どころでだったしょう。この松重さん、なかなか芸の幅が広くて、映画「交渉人真下正義」では、警視庁の爆発物処理班の班長などを演じていました。最も印象が深かったのは、ドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」で、幼い娘(美山加恋)を育てながら職を失った主人公(草なぎ剛)が転がり込んだレストランのシェフの役。草なぎ君にニンジンのグラッセの作り方などを教えるのですが、言葉数少なくぶっきらぼうながら優しさが滲み出ていて、好演でした。何しろ顔がおっかな過ぎるので、大杉漣や寺島進のような人気脇役にはならないでしょうが、要注目。

  梅の茶屋ニッカボッカがよく似合ふ     大波

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