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やっぱり凄い小津映画

ほんとうに時間の流れは奔流のごとく、年が明けたなと思ったら、もう2月じゃありませんか! この一月の間に、いったい私は何をして、何をしなかったのか、まるで思い出せないのです。句会に行って、映画を観て、また句会に行って、テレビドラマを観て、さらに句会に行って、DVDを観て…という果てない繰り返し。その間、何も産み出さず、何も悟らず、何も記憶せず、万物は水のように流れ去っていく。そんな日々でした。そんなときに部屋のお掃除をしながら、つけっぱなしのテレビの衛星放送を横目で見ていたら、小津安二郎の「小早川家の秋」を放映していました。場面は、妾宅で死んだ父親・中村鴈治郎の葬儀のシーン。原節子、司葉子、新珠三千代の喪服姿の信じられないほど美しいこと。葬儀場の煙突からうすい煙が立ち昇り、墓場や近くの川原にカラス達が黒々と群れるというラストカット。静かな、ほんとうに静かな幕切れです。私は、思わず電気掃除機のスイッチを切って、画面に吸い込まれてしまいました。小津さん、やっぱり凄い。この映画は前にも見た筈だけれど、ほんの数分の画面で「死」を思い、「生」を思わせるなんて。

  折れ枝に冬芽ほつそり吹きにけり    大波

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